オリンピックが始まったので空手の師範にオリンピックの武道に関する事を聞いてみた。
メダリスト というのは柔道や空手の決められたルールにそって行ったものの世界一だが、
武術 としての『柔術』や『空手術』の世界一ではない。
なぜかといえば、僕の師範の師範
唯心会 の井上元勝先生 が書いて残っている書面を見せてもらうと、
そこには
スポーツと武術は真逆のものだ
と書いてある。
《武術》とは、
☆決められた場所(会場)がない。
☆時間制限がない。
☆急所を攻撃したり、禁止技が無い。
☆人数制限が無い。
☆武器を使ってもよい。
☆武術は、命をとるなり、相手が反撃しなくなるまで延々と続く。
☆審判がいない。
☆次が無い なぜなら負けは死を意味するからだ。
☆引退が無い。
☆武術をやるには年月がかかる。
☆基礎技の反復により無意識に出せる洗練された技である。
☆狙う相手は、弱者を狙うのが鉄則。
☆フェアではない。
☆突発的なものである。
☆365日 24時間 残心しなければならない。
☆病気をしてはならない。
☆棄権ができない。
これが《武術》であり、
その真逆のことが《スポーツ》である。
師範によると、試合を見たり、インタビューを聞いたりすると、
今のオリンピックの代表選手達は
スポーツと本当の武術の違いを全く理解していないでやっているようにみえるそうだ。
僕もそう思う。
武術 だと思っているのであれば、
金メダルをとった後、会場やテレビのカメラの前でバンザイをしたり、
コーチ達と喜び合ったりしないと思う。
何故なら、武術なら
相手を倒したということは命をとったということだから、
相手の人生を侮辱していることになるからだ。
これが、武術 と スポーツ の圧倒的な差である。