第21回全日本パラ空手道競技大会

空手WEEK2025が、8月21日(木)~24(日) 東京武道館で開催された。

平成21年に静岡県武道館で行われた 第5回全日本障害者空手道競技大会 から出場しているので

もう17年間出場していることになる。

 スローガン`磨かれていく自分`

武道館への道のりも、もう慣れたものだ。

綾瀬駅から武道館に続く遊歩道にはキッチンカーがでたり、

武道館前では空手に関する多くのショップが並び賑やかだった。

開会式

笹川会長(左)挨拶と 

パラ大会オフィシャルサポーターPupuのお披露目

会場には耳が聞こえないデフ選手のための電光掲示板(黒い柱のようなもの)が設置されており、

今年はデフリンピックが11月に東京で開催されるので、デフ選手の手話による選手宣誓が行われた。

僕がこの大会に出る目的は、

自分が演武する経験と、他の障害者がどのくらいのレベルや障害の重さがどのくらいなのかを知れる場だし、

いろいろな人との繋がりがもてる場だからでているのだ。

試合の勝ち負けだけでなく友好を深めることができる場だというのが、

パラスポーツ健常者のスポーツとの大きな違いなのである。

戦った相手と試合後に会話をしたり、稽古を重ね来年もまた会えることを楽しみに頑張れるのである。

演武の場はどこかで発表するのと普段の稽古とは全く違うので、

大会にでることは人間の成長の場としては一番良い場だと思う。

男子 形 第3位

大会でなく奉納演武会などのほうがさらに成長できると思う。

神様や過去の偉人 武人に見ていただく奉納演武は、意味が全然違う。

だから奉納演武というのは弟子達がやったあとにその会派の最上位の人が道着でなく袴をはいて最終演武をやるのである。

それが昔のしきたりだそうだ。

だから大会と奉納演武は意味も重みも全く違うのである。

現在はオリンピックや世界大会などが一番名誉だという風潮があるが、

日本古来の重みのあるものというのはやっぱり奉納演武なのだと思う。

静岡県選手団

動画

パラ大会のオフィシャルサポーターに就任した

登録者数100万人突破の Pupu

大会終了後には、今回初のパラアスリート向けのカジュアルミーティングが開催され、

パラ大会に参加した感想や大会運営に関する要望などをざっくばらんに意見交換できる場をつくっていただくことができた。

最近は空手界のいろいろな大会とパラ大会が合同になっているが、

本当はパラ大会単独の開催にしたほうがいいと思っている。

今回は全少大会と同日開催だったが、最低でも高校生以上の大会と合同にすべきだと感じた。

なぜならば、小学生ではまだ障害者に対して合理的配慮ができず障害者に怪我をさせてしまう恐れがかなりあると思った。

場をわきまえずに公衆の面前で形の稽古をやり始めたり、

障害者の通行に迷惑になるような動きや廊下で2段蹴りをしている子がいたり、

それをさせている親がいるのを目の前で見て、

いくら大会で強くても精神的に黒帯をしめる資格はないと思った。

師範が子どもたちに黒帯をしめる重みを教えていないのではないかと感じたし、

まして全国にでてくる小学生なのに自分の県の恥になるということも理解できていない子達が全国大会にでてきていることを恥ずかしく思った。

いくらスポーツとはいえ自分が武人だということを理解しているのか?と思ったし、

昔の時代だとしたら公衆の面前でこんなことをしていたらその一族皆連帯責任で打ち首だったはずである。

打ち首は武士にとって一番の恥の行為である。

うちの流派(唯心会)では大会会場についたら人がいるところでは練習するな! 

練習するなら人様に見えないところでやること!

と言われており、大会の前の日までにやれることは全てやっておくこと!と指導されている。

いくら大会の前であっても、サッカーや他のスポーツでは廊下や人が通るところで練習することなどない。

小学生のうちからこのあたりまえのことを空手道をやっている子達には身につけてほしいと思った。