高校生への講演をして感じたこと

6月19日に静岡市立清水桜ヶ丘高校にて、高校一年生向けの講演を行った。

桜ヶ丘高校は『自己実現に向かって挑戦し、未来を切り拓くたくましい若者を育てる』

という教育目標の学びとして、

「自己を律する力・共に創り上げる力・突破する力」の3つの力の育成を目指しており、

今回の講演のテーマは『パラスポーツ、障害とリハビリテーション』 についてだった。

僕とアンプティサッカーのガネーシャ静岡の若杉さんが、それぞれに

自分が障害者として生きてきたことについて語った。

僕は小さい頃歩けるようになりたくて、

集中的にボイタ法のリハビリをするために母子入院を5回したことや、

サッカーを始めたきっかけや、CPサッカーの代表合宿で驚いたことや、

いろいろなことができるようになるためにどうしたかなどについて話をした。

今回僕自身が一番高校生に伝えたかったことは、

生徒達は今は健常者として生活できていたとしても、

人間いつ障害を持ってしまうかわからないので、

健康であることが当たり前ではないと思ってほしいということだった。

若杉さんが事故により足を切断してしまった時やそれを乗り越えてきた話を聞いて、

どんなに大変なことや死の淵にたったとしても、

絶対に生きるんだと思い続けることで生きる道は拓けるんだと感じた。

今回講演をして一番良かったことは、

自分の話をすることによって誰かの人生の考え方や生きるための術を伝えられることだと改めて感じたことだ。

若杉さんも僕も自分が経験してきているからこそ熱のこもった実体験を話すことができ、

嘘でないリアリティを感じるから、生徒もその話を食い入るように聞いていた。

僕が幼稚園の頃の話で、頭の中に霧がかかったようでうまく身体が動かせなかったことについての表現や、

その時の言葉では表せないような感覚や思いを正確に伝えることの難しさも痛感したので、

もっと言葉の引き出しを増やし、深い話のできる経験を積み、話に重みを出せるようになりたい。

ちょうどその翌日に県の講習会があり、研修に行ってきて感じたことも書こうと思う。

県の研修会ではパワーポイントに制度の条文やマニュアル等が書かれていて、

ただ担当者が読んでいるだけのような感じがした。

その内容に対して自分自身の経験やほんとに大変だったことを感情のこもった言葉で話していないため、

聞いていても眠くなってしまうし、

ただ機械的に文字を読むだけならAIの説明でいいのではないかと思った。

これからの行政の研修会はAIでできるものだと感じ、

公務員の法律や条例や制度の研修の仕事はAIにとられてしまうのではないかと思った。

人間が講演会をするという意味をもう一度考えないといけないと感じた。

人間が講演や講習をするなら話す内容に命が通っていないといけない

制度等の講習ならその制度により人の人生がこのように変わったから大切だというような話をすることで、

自治体職員が自分事として考えることができ、より理解でき、

血の通った説明を県民にできるような研修にしなければいけないと感じた。