息子には見た目にはわからないが、上肢運動機能障害もあるので、
手先の細かい作業をする事は苦手だった。
小学校も中学校も図工の時間では、工作をしたり、デザインしたり、版画をしたり…と手を使う。
ハサミの使い方も苦手で、工作は苦手分野ではっきり言って下手くそなのだ。
でも絵画の面では、下手だけど自分の思いを表現することは好きで得意になっていたので、
何を描こうか… どうしようか…という迷いはほとんどなく、
躊躇なくとりかかり、さっさと仕上げる事ができたようだ。(年齢があがるに連れて細かい丁寧さも要求されるので、丁寧さは欠けていたと思うが…)
障がいを持った子、人はやっぱり感性が豊かだからなのか、絵画で表現することや創作することは自分の心や内なるものを出し、解放される心地良いことなのかもしれない。
上手い下手は関係なく、
表現すること が自分と向き合いリラックスできる場なのかもしれない。
素晴らしい芸術作品で特に感動したのは、
ダウン症の書家である金澤翔子さんのを席上揮毫(きごう)を目の前で観た事だ。
『飛翔』という文字だったが、
一筆一筆ごとに魂が込められている力強さを感じた。
書いてる姿を見ながら私は、
お母さんはどのような子育てをされたのだろう?
やっぱり人と同じ事をしていては決してこのようにはならない!
親子の努力、戦いがあったはずだ
と思った。
だからこそ、障がいを持っていても
好きな事、得意な事を仕事として生きていけるのだ。
人とは違う何か、好きなこと、良さ、特徴、興味などを親が早く見つけてあげて、
諦めずに継続していけば、
必ず身について
開花する日がくると思う。
私も、息子がまだ小さかった頃には全然未来は見えていなくて不安だったが、
好きな事を継続できるように
見守り、支えていくことにより
息子が自信を持ち、
10年後、20年後にやっと道が開けてきたのである。