障がい児を育てる上で、目標というかゴールに考えていた事は
『自立』 だった。
将来自立してやっていく事ができるのだろうか…?
という不安は、障がいを持った子を育てる親なら誰もがもつ思いだろう。
『自立』というゴールに向かって、
子どもの年齢によって、
「今は何をする事が必要か?」
「何を身につけたら将来困らないで過ごせるだろうか…?」
を、物事を決める一番の基準にしてきた。
保育園、幼稚園、小学校、中学校、高校、大学を決める上で、
保育園、幼稚園以外は息子と共に相談し
息子が自分で決定してきた。
身につけられる事を試行錯誤しながらチャレンジしてきて、
こうして息子が公務員になる事ができた今、
一番成功したと思う事は、
ゴールに向かう道であちこち周り道をしたということだ。
健常児の子育ては、
最短の道をできるだけ早く進みゴールすることを良しとして、
そしてなお高くまで登れれば最高である。
しかし障がいを持つ子は、
急がず焦らず、行っては戻り、
あちらの道こちらの道…と、
その子に合う方向をまず探し、
少し進んでは振り返り後戻りし、
また少し道を変えてみて進む事の繰り返しである。
一体いつ、何処へたどり着くのだろうか…?
は誰にも解らない道を進むのである。
でも、
自立というゴールのために
周り道をしながら身に着けた事は
絶対に子どもの宝となっているはずである。
とりあえず目標だったゴールまでは来たが、
「自立」とはどこまでをいうのだろう?
就職? 一人暮らし? 金銭的なこと? 人間関係?
これは健常の子でも、障がいを持った子でも同じだと思う。
本人のやる気、気持ちがこれからの人生の支えになるはずで、
今まで壁を乗り越えて苦労してやってきたことを自信にして、
次にやってくる壁をどうやって乗り越えて進んでいくのかを見守っていこうと思う。
なんとか目標にしていたゴールまではたどり着いたが、
これからがまたまた新しいスタートのようだ。