『蹴る』障がい者の覚悟

僕は数年前に障がい者サッカー選手の映画『蹴る』を見た。

蹴るという映画は、車椅子サッカーの日本代表を目指す選手達のドキュメンタリー映画だった。

車椅子サッカーの日本代表選手は、重度障がい者だ。

車椅子サッカーの選手が世界大会に出場した時に、体調が悪化した選手が行なった行動に驚いた。

医師に大会に出場すれば死ぬ可能性が高いという診断をされても、選手は

『障害をもって産まれた時から死ぬ覚悟はできている』

と言っていたことを聞いて、

覚悟を持つ人は強いなと感じた。

健常者のスポーツ選手で死ぬ覚悟が常にできているアスリートがどのくらいいるのだろう?

と思った。

障がい者アスリートと健常者のアスリートでは、

障がい者アスリートの方が本当に命をかけてやり続けているのではないかと思う。

健常者は、今生活している状態が当たり前だと思い、

死ということは意識せずにいるからコロナや病気になった時に当たり前の状態を失うことを怖がるのではないかと思う。

障害をもって産まれた障がい者にとっては、

一生付き合う病気があるため病気に対して耐性があるが、

健常者は一生涯付き合う病気をもっているわけではないため、

新しい病気に対して過度に反応してしまうのではないかとニュースを見て感じている。

僕も障がいが中途半端に良くなったことにより、

もしリハビリを止めて自分の健康が悪化してしまうことを怖がっていると思う。

友人の重度障がい者はどうせできないことは多いから、

病気になったり障がいが悪化することは仕方ない、

怖がることはないとふっ切っていた。

すごいなと思う。

コロナの後遺症で味覚障害などが残ったりする事でニュースでとりあげられていたが、

身体障がい等の病気は、20年以上大変な思いをしていても取りあげられないのに、

コロナの後遺症になった人はたかだか半年程度しかたっていないのに、

大きく報道されていることはおかしいのではないかと障がい者の立場からすると思う。