「パラ空手」と言う項目にしていますが、
身体等にハンディキャップがあっても技でそれを補い
健常者相手に対等に対戦出来るのが武道の良さでもあります。
本来空手の形や技は手足を使えない時や
船上等不自由な状態等を想定して構成されたものが沢山あります。
この様に空手道は本来、障がい者、健常者の区別なく一緒に練習し試合も行ってきた歴史があります。
オリンピック、パラリンピックと競技上の区別がありますが、
パラスポーツと言えばすぐに思い浮かぶ競技がたくさん有り、
空手道もその競技種目の一つとして教室を設けています。

車椅子に乗れば誰でも同じ目線で一緒にスポーツが楽しめ
一競技種目として定着し様々な工夫で新しい競技種目もうまれています。
アダプテッドスポーツという言葉で表現されますが、
身体に障害のある方、子供、高齢者などそれぞれの個性に合わせ
みんなで一緒に楽しめるように工夫されたスポーツという意味ですが、
本来、空手道は障害の有無に関わらず形と組手の二種目があり
それぞれの個性に合った形や技を創意工夫で練習し自己表現するということになります。
具体的には形や技の構成を残された能力を空手の技に活かせる様に創意工夫で一緒に考えていくことになります。

そして自己表現の場として現在、全日本障がい者空手道競技大会(全空連主催)、
全国車いす空手道選手権(松涛連盟全国大会と共催)や各地域での交流大会等も盛んに行われていますし
パラリンピックの競技種目になる期待もありますし
デフリンピック(聴覚障がい者の総合スポーツ大会)では競技種目になっています。

このように同じ舞台で競技志向のある方は目標を持って楽しむことが出来ますし、
日本古来の武道独特の地道に黒帯を目指すという目標も有り、
空手は個人種目ですので自分のペースで練習することが出来ます。
空手は凄い体力を必要とするわけではなく、
むしろ肩の力を抜いて軽い運動やストレッチをするぐらいの感覚で十分ですし、
運動不足解消や柔軟性を維持し、外出出来る体力を養い二次疾病の予防やリハビリ効果も期待出来ます。
「パラ空手」より引用文 http://id35.fm-p.jp/405/mk88/index.php?module=viewnp&action=pdetail&hpid=mk88&stid=9

僕も障がい者空手道の全国大会に何度も出場している。
武術全般で大切だと思うことは、筋力ではなく体重移動を使うことだと思う。
体重移動は空手だけでなく日常生活にも必ず使うことなので、
障がい者にとって空手の稽古によって体重移動や力の入れ抜きを覚えることは、
自身のリハビリの効果に繋がると思う。
空手では肺呼吸でなく腹式呼吸を使うことが多いので、私生活でも息が上がることが少なくなると思う。
例えば、冬の寒い時期に腹式呼吸をすることで身体がポカポカになることを
師範から剛柔流の型を習った時に教わった。
よく師範に、「武術で習った事を私生活で使うようにしなさい」と言われる。
障がい者にとってはなかなか自信をつける経験が少ないので、
稽古をして昇級、昇段していくことが自信に繋がるので
目標を持って稽古し続けることが大事だと思う。