息子が高校進学を考えている時、オープンキャンパスへ行ったり説明会で相談したりして
進路をどうするか悩んだ時期がある。
息子は身体障がいを持っているので、健常の子達との生活や勉強に無理があるのではないかと心配に思って過ごしていた。
大勢の生徒の中でみんなについていけるだろうか?
この先息子はどうなっていくのだろうか?
将来に向けて必要なことはなんだろうか?
そんな迷っている時に高校の説明会で出会った先生に言われた一言が、私の考えが180度変わる位の感動だった。
その言葉が今でも忘れられない。
この言葉が支えになって今まで頑張ってこれたのである。
「お母さん、今までは障がいをかわいそうだと思っていたかもしれませんが、
これからは障がいを強みに、売りにしていけばいいのですよ。」
逆転の発想だった。
今まで障がいのために多くの壁があったり、できなくて悔しい思いをしたり、多くの人に迷惑をかけてきたりした。
それを 強みに とはどういうことだろう? と考えた。
障がいがあっても、ここまで努力をしてここまでこれた事を自信にすること。
障がいがあっても息子にしかできない事を見つけ、伸ばすことだと気がついた。
そう考えたら、息子には他の子には経験した事がないようなことをいっぱいしてきているし、乗り越えてきたし、
障がいを持っているからこそ解ることもある。
障がいを個性として考え、認めてくれる先生がいるということで、私は親としてこの高校に是非お願いしたいと考えていた。
しかし息子が自分で決めることが一番だと思っていた。
息子も学校見学や説明会、先生や先輩生徒の話を聞いて気に入ったようで、自分の意思でこの高校への進学を希望するようになった。
このクラーク記念国際高等学校の校長先生は日本のスキー選手であり、登山家である三浦雄一郎先生である。
高校のホームページには三浦雄一郎先生のメッセージが載っている。
「あきらめずに一歩ずつ進んでいけば、
夢は叶う。」
僕は1992年の開校以来校長を務めていますが、このことをずっと言い続けています。
この学校は君が君だけの
チャレンジを続ける場所。
オンリーワンをめざす、
オンリーワンの道のりがここにあります。
さあ、先生や仲間たちと助け合いながら
歩いていこう。
君にしかできないことが、きっとあるはず。
僕らと一緒に、
新しい自分を見つけていきましょう!
当時はまだあまり多く行われていなかったが、
この高校の特徴であるAO入試という自分の長所をアピールする試験で無事合格することができた。
先生がおっしゃっていたように、障がいを乗り越えて頑張ってきたことが認めてもらえたのである。
息子の成長の道のりには、障がいがあることで諦めてきたことも多い。
障がいがあってもチャレンジしようと行動すると、
『前例がありません』と
断られたりダメだったこともあり、落ち込んだこともある。
しかしこの障がいを強みにしていくという考えは、大学進学の時のAO入試でも共感してもらえることができ、無事福祉大学に合格することができたのである。
通信制高校における全日型教育の大きな特徴・強みのひとつが、カリキュラムや単位取得の柔軟性だ。
生徒のニーズに合わせたカリキュラム設定が可能なので、
好きなことややりたいことにとことんチャレンジすることも可能で、
多彩なゼミ授業や大学受験対策授業なども通常の時間割の中に組み込まれていた。
興味のあることを学び、資格を取ることもでき、
普通校では体験出来ないようなこともできた。
この高校を選択したおかげで大学進学への道だけでなく、
障がいを持った子が生活していくうえで絶対に必要な生きていく力である状況判断力を、
毎日公共機関を使って登校することにより自然に身に着けることができ、
リハビリ通院やサッカーの県外での練習、合宿参加など息子一人でどこへでも出かけて行けるようになり、
その後の息子の行動範囲や視野をさらに広げることに大きく役立ったのである。
「唯一無二」の能力を発揮できるようになりなさい
というクラーク高校の教えが息子の基礎を作り、
三浦雄一郎先生が言葉だけでなく、
エベレスト世界最高齢登頂者として自分自身の挑戦を生徒に見せることにより、
不安や悩みを抱えて迷っている子供たちにチャレンジする後押しをして下さったと思って感謝している。
そして公務員試験合格への道も、この高校から大学へ進み、卒業し、
チャレンジすることにより切り開かれていくことができたのである。
この高校を選んだおすすめな点、良かったことについては、また改めて書こうと思っている。